1. キャスターの主な用途
キャスターは、ものの搬送や移動を容易にする目的として人力で間欠的に使用頂くものです。
製品の選定に関しては 屋内外での各種機器類に取付けられる事も想定しており、ご使用条件および用途に応じた製品を選んで頂き、正しい取り付けと設定条件を確認願います。
2. 最適なキャスターの選定と使用条件
① 許容荷重
当WEBサイト記載の許容荷重は、平坦な床面を人力で搬送する場合に移動が容易な値(限度)を示しています。(牽引対応キャスターを除きます。)
積載される総荷重に対して、それに見合った許容荷重のキャスターを選定して下さい。
なお、キャスターを4個使用した場合でも、荷重は3個(3箇所)で受ける場合がありますので総積載荷重の限度は通常、下記の様に 0.8掛けにて求めるのが一般的です。(総積載荷重とは、台車自重を含める荷重です。)
許容積載荷重 = キャスター1個の許容荷重 × 4 × 0.8
◎ 力の表示は daN です。
1daN=10N≒1.02kgf (1kgf≒9.8N=0.98daN)
② 使用速度
使用速度は常温で平坦な床面を走行させるものとし、下表の範囲内で使用して下さい。(発熱を伴う連続使用は避けて下さい。)
車輪径 | 使用速度 |
---|---|
100mm 未満 | 2km/h 以下 |
100mm 以上 | 4km/h 以下 |
※けん引用キャスターSKY-2型は10km/h以下で使用してください。
③ 使用条件
通常、キャスターは 常温、屋内でご使用頂くことを想定しております。
高温、低温、多湿、酸、アルカリ、塩分、溶剤、油、海水、薬品などの影響を受ける特別な環境でのご使用は避けて下さい。製品の劣化を招く恐れがあります。
特殊な環境下でご使用の場合は、それぞれの用途に合った 金具、車輪、グリス等が必要となる場合があり、床面の材質によっては汚染する可能性も皆無ではありません。(別途、お問合せ下さい。)
また、一時的にキャスターの回転を止めたい場合は、ストッパーをご使用願います。
④ ストッパー
長年の使用による磨耗・損傷による機能の低下や衝撃により、意図せずストッパーが解除される恐れがありますのでご注意下さい。
また、一般的に硬い車輪の場合は出荷当初より制動機能が劣ります。制動性能については、製品安全上、特に必要がある場合には「車輪止め等」を使用してください。
次の様にキャスターを使用しないでください。
キャスターの破損や人身事故に繋がる恐れがあります。
キャスターの破損に繋がる事項
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- 許容荷重を守って積載して下さい。
- 許容荷重を超えて使用するとキャスターの破損、性能の低下に繋がります。
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- 落下させたり、衝撃を加えたりしないで下さい。
- 寿命が短くなったり破損する恐れがあります。
-
- ストッパーをかけたまま、無理に動かさないで下さい。
- ストッパー部が破損する恐れがあります。
-
- 固定車は車輪の直角方向に無理な力を加えないで下さい。
- 金具が変形し、性能が劣化する恐れがあります。
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- ストッパー部をかなづちで叩いたり、無理な力で踏みつけないで下さい。
- ストッパー部が破損する恐れがあります。
-
- 著しい凹凸面で使用しないで下さい。
- 寿命が短くなる恐れがあります。
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- 高温・低温・多湿等の特殊な環境を避けて使用して下さい。
- キャスターの破損、性能の低下に繋がります。
-
- ねじ込み式キャスターを取付る際は、必ずスパナを用いステムの六角部で締め付て下さい。
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- 動力による牽引等には使用しないで下さい。
- キャスターが破損し事故や怪我の原因となります。
(※牽引対応キャスターを除く)
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- 傾斜面でストッパーをかけたまま放置しないで下さい。
- 突然動き出す可能性があり非常に危険です。また破損や性能の低下に繋がります。
人身事故に繋がる事項
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- 偏った積載をしないで下さい。
- バランスを崩し転倒に繋がり大変危険です。
-
- キャスターを取付た台車等には乗らないで下さい。
- 怪我や死亡の恐れがあり大変危険です。
4. ご使用上の注意事項
- ご使用の条件、環境によって 床にタイヤ跡が付く場合があります。
- 許容荷重以上の負荷を掛けないで下さい。
- 個々のキャスターへ均等に負荷が掛るように積載して下さい。
- 固定キャスターは 車輪の回転方向以外の方向に無理な力を加えないで下さい。
- 衝撃の加わるご使用は避けて下さい。
(段差面の乗り越え、落下、フォークリフトの爪で突くなどの衝撃) - 著しい凹凸の床面でのご使用は避けて下さい。
- トレーラー等での牽引は行わないで下さい。
※牽引対応キャスターを除く - ストッパーの操作は、靴を履いた足にて行って下さい。
- ストッパーを掛けたまま、無理に動かさないで下さい。
- ストッパーには 過大な力ならびに強い衝撃を与えないで下さい。
- 傾斜面でストッパーを掛けたまま 放置しないで下さい。傾斜面で放置される場合は、車輪止めをご使用下さい。
- 走行中のストッパー操作は行わないで下さい。
- 移動時にはストッパーが解除されている事を必ず確認して下さい。
- 製品の改造は 一切行わないで下さい。
※改造による事故や故障に関して 弊社は一切の責任を負いかねますので ご了承下さい。 - 椅子等、人が上に座る/乗る物にご使用される場合は、弊社窓口へお問合わせ下さい。
5. 点検・保守および交換
- ①事故防止および長期にご使用いただくため、定期的な点検、メンテナンスを行って下さい。
なお、キャスターの定期的な点検、清掃を含むメンテナンスを行う場合は、必ず手袋(軍手)などで保護処置を実施してください。素手で作業すると金属部分などで負傷する危険があります。 - ②以下の事項について定期的な確認をお願いします。
- キャスターの締め付け部に異常が認められないか。
- キャスターの破損、亀裂、変形が認められないか。
- 車軸の緩みが生じていないか。
- ③製品に劣化、破損等の不具合が生じた場合は 直ちに交換して下さい。(部分的な部品等の交換は行わないで下さい)
- ④旋回部や車軸部に異物が巻き込まれた場合は、直ちに除去して下さい。旋回不良や回転不良の原因となります。